アーカイブ: 2010年6月14日

Date: 2010.06.14 | 投稿者: nakamoto

芸術の街、笠間市の駅前商店街で、毎年6月の第一土曜日、日曜日に行われているイベントがあります。

青空にはためく「道の市」の文字

そのイベントとは「道の市」。今年(平成22年)で8回目になるそうです。

この「道の市」というイベントは、「笠間ハンドメイドフェアin弁天町」というサブタイトルからもわかるように、プロ・アマを問わず、自分のペースと領域を守り、モノを作り続けている本物の作り手、隠れ名人、自称名人などが弁天町の「道」に集まって、手作りの逸品を販売するというものです。

   道の市  http://www.michino1.jp/michinoichi/mtop.html

通りの入り口には町名の石碑が

車両通行止めの道路が会場です

車両通行止めとなった弁天町駅前通りは、たくさんの人でにぎわっており、地元笠間市のお店・作家さんはもとより、県内外の各地から集まった職人やアーティストの皆さんが、こだわりの手作り作品を並べていました。

 

 通りにはたくさんの人が・・・

手作りだから、1点モノばかり

どれにしようか、迷います

生演奏もありました

どのお店でも、売る人(作り手)と買う人(使い手)との会話があふれていて、モノとの出会いだけでなく、人との出会いも「道の市」の魅力となっているようです。

お店の人との会話も楽しみのひとつ

そんな弁天町の通りの中ほどに、なにやら目を惹くものが・・・。

きみどり色の不思議な乗り物は

見ると、レールの上を走るきみどり色の客車のようなものが、人に押されて動いています。

バス停のような「人車軌道のりば」

まるでバス停のような立て看板には「人車軌道のりば」とありました。

きみどり色の車両を押していた男性に「これは何ですか」と聞いてみると、「人車といって、昔、笠間市内を走っていた鉄道なんです」との答えがかえってきました。

人車を押していた、内山さん

人車を押していた内山さんによれば、大正4年(1915年)から大正14年(1925年)までの10年間、笠間駅から笠間稲荷神社近くまでの約1.1キロメートルに軌道が敷かれ、「笠間人車軌道」と呼ばれる人力の鉄道が参拝客を輸送していたそうです。

現在の笠間駅

このような「人車」は、かつては東日本を中心に全国各地で走っており、内山さんが収集した資料によれば、小田原駅から熱海まで、なんと25.6キロメートルもの長い区間を走っていた人車もあったそうです。

内山さんは、今では忘れられた乗り物となってしまった人車を知ってもらおうと、復元模型を手作りし、昨年の「道の市」で体験乗車を行ったところ、大変な人気だったとか。

第二弾の今年は、模型を段ボール製から木製にグレードアップし、レールの長さも6.6メートルから10メートルへと伸ばして、より本物に近い体験乗車ができるようにしました。

大きさは本物の人車より少し小さめ

 内山さんの手作り人車は、本物よりやや小さめ(約3分の2)で、子供5~6人が乗ればいっぱいの大きさですが、当時の人車は、車体の大きさが長さ1.8メートル、幅1.2メートル、高さ1.8メートルほどで、1両に大人8人が向かい合って乗車していたそうです。また、人車を押す人は「車夫」と呼ばれて、法被(はっぴ)などを着ていたそうです。

笠間人車軌道の手づくりキットまでありました

今では、移動手段の主流はマイカーにとって代わられ、鉄道やバスといった公共交通の利用者も年々減少していますが、人が押してゆっくりと走る鉄道があったことを知って、何だかのどかな気持ちにさせられました。